正解はわからない。

色々なことが分からなくなって
言葉の理解も難しくなって
生活の全てに サポートが必要。
でも、いつも朗らかで
美しく可愛らしい女性がいます。


興味のあるものは
誰のものでも手に取るし、
ニコニコしながら
新聞にコーヒーをこぼすし、
人のオカズにも
笑顔で手を伸ばす。

なにかあると
いつもスタッフが
『あらあら〜』って対処する。

まったくもって悪気はない。
認知症という病気だから。

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同じご利用者の皆さんに
その女性の病気を
理解してもらうことが
難しいのは 分かってる。

スタッフはいつもそばで
見守っているけど
トラブルは時々おこってしまう。


そんななか、優しく接してくれる
人たちもいる。

一方で
そうじゃない人たちもいる。


その女性の動くさまを まじまじと眺め
遠くの方で声がする。

『あーゆー風には、なりたくないね』

悲しい気持ちになるけど
聞こえないふり。
ご本人はきっと、言われている意味を
理解していないから.......大丈夫💦
と勝手に思い込んで
やり過ごす。



ある日、女性がフロアを歩き出した。
何か気になることでもあるのかな?
と思って
少し離れたところで
見守っていた。

一人のおばあちゃんの近くに
向かった女性。
別になにをするでもない、
おばあちゃんに向かってニコニコ
笑っているだけ。


おばあちゃんはこう言った。
『あんた、なんなの?』
そして隣りに座る人に向かって言った。
『こんな風になったらオシマイだね!』


本人を目の前にして。


んーーーこれはダメ。
いくらなんでも ひどい。

怖いオバサン 出動 └(((º∀º;;┌)┘))))


『ご本人の前で、そういうこと
言わないでください。失礼ですよ』

言い返してきたおばあちゃんと
ひと悶着。

その人だって 認知症
きっと30分後には
怖いオバサンに言われたことなんか
忘れてる。

言っても意味はなかったのか.......

言うことに意味があったのか.......


正解は わからない。

でも、きっとまた
同じようなことがあったら
言ってしまう気がするなぁ (*´∀`)