おひとりさま。

わたしはもう
ずいぶん長いこと この仕事に
就いていますが
生活のさまざまな場面を支える
介護の中で
一番むずかしいのは
“食事”に関わる介護だと思っています。


その人の嗜好はもちろん
食に対する熱意や、こだわりや
タイミングや、環境など
その価値観は
十人十色だからです。

「わたしはこうしたい」

ご本人の口からお聞きすることが
できるなら 情報収集は
楽ちんです。
でも、さまざまな理由から
それが出来ないことが多いので...

( ・ิω・ิ) ( ・ิω・)ノิ ヽ( ・ω・)ノ ิ


グループホーム
ご入居のお客さまがなかなか
お食事を摂れない時、
スタッフは頭を悩ませます。

ご家族さんに
どんなものがお好きで
よく召し上がっていたのか
どんな食生活だったのか
聞いてみることもあります。



昔から、食が細かったという
女性のお客さま。

数口程度しか召し上がらない日も
たびたび。
お好きな果物を買ってきたり
個別に甘い卵焼きを焼いてみたり。
あらゆることを試します。

とにかく食べて欲しくて。
そして、
食べてくれると嬉しくて。

スタッフは横に座って
声をかけながら
お口元までお手伝いしますが
「んーーー😐」とお口は閉じたまま。

ダメかぁ〜
何度も何度もスタッフは
手を変え、品を変え
お声かけをしながらお口に運ぶ。

でも「んーーー😐」

スタッフが
他のお客さまに呼ばれて
しばらく席を外したときのこと。


ふっと見ると .......食べてる。
ご自分でお箸を持って....... パクパクと。



そうか。
一人になると食べるんだ (*'▽')

スタッフは気づきました。

横に人が張り付いて
なんや かんやと世話を焼かれるのが
うっとうしかったのかもしれないし
人前で食べることを
恥じらっていたのかもしれない。



一人でゆっくり食べたいって
気持ち、分かるなぁ。



皆さんが夕食を終えたフロアで
静かに召し上がる女性。

f:id:healthy-service:20210730231045j:plain


集団生活だからって
みんな同じ時間に
食べなければならない決まりなんて
ないしね。

いろんな人がいて
いろんなやり方がある。

少人数のグループホームならではの
柔軟な対応。
できることはたくさんある😊


そしてスタッフに求められるのは
原因を探り、気づくことの
できる【観察力】と
それらを共有し、試み、
評価する【チーム力】なのかと。



静かになったフロアで
今夜も “おひとりさま”
パクパク (๑´ㅂ`๑) もぐもぐ。


f:id:healthy-service:20210730231218j:plain

わたしたちは離れたところで
そっと.......見守るとしましょう💕