見守る。



要介護状態。

そうと聞くと
すべてにおいてお手伝いが
必要で 大変な状態を
思い浮かべる方が多いのでは
ないかと思います。

でも、介護が必要な状態には
いくつかの分類があって
私たちはそれを
「見守り」「一部介助」
「半介助」「全介助」 
などという言葉で認識しています。

ご本人の出来る能力を見極めて。
困難になっている動作を援助する。

シンプルに言えばそういうこと。
しかし。
そう単純にいかないもので…




そのお客さまは
難病を患っていらっしゃいます。
時間はかかるけれど 
生活の中でご自身で出来ることは
たくさんある。

これからも自宅で暮らしていきたい。
明確に、そう希望されています。

上手く動かない足、
力が入りにくくなった手先、
…疾患によるものです。
介助をしてもらえば一瞬で済む動作も
自分で行えば何倍もの時間がかかる。

ラクな方に、ラクな方に
気持ちが傾く。
依存度が高くなる。

あれもやって欲しい
これもやって欲しい
決められたサービスの時間を
過ぎてもまだまだ
やって欲しいことがあるみたい。


あるときスタッフが聞いてみた。

「〇〇さんはこれからも
家で暮らしていきたいんですよね?
どこまでをやって欲しいの?」

『全部やってほしい』と即答されました。

自由がある家でこれからも
暮らしていきたい。
ご飯も届けてほしいし
洗濯もしてほしいし
掃除も、着替えも、
起き上がりも、
買い物も、茶碗洗いも。
全部やってほしいと言われます。


自分でできることも
…あるのに。



生活の中で手足を動かして、
時間がかかっても
今やれることをやらないと
出来なくなってしまうよ。
家での暮らしを続けていきたいなら
自分で出来ることは
がんばっていきましょう!
ケガをしたり転んだりしないよう
私たちは見守っていくからね。

ご本人にはお伝えし
理解は してくださいました。


スタッフたちは言います。
「すべてをやってあげた方が
時間もかからないし う〜んとラク
「心を鬼にしてご本人に動作を促し
見守ることの方が大変なんです…」

確かに、そう思う。

その人のことを思って
その人の望む生活を維持するために
時間をかけて「見守る」こと。
介護スタッフの大切な任務だと
あらためて考えさせられました。

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春は別れの季節とは言うけれど…
別れは さみしい(´๑•_•๑)