無事でよかった。

朝の6時すぎ。
会社の携帯が鳴った。

近隣の警察署からの電話。

警察官が口にしたのは
私の担当している
おばあちゃんの名前だった。

『帰れなくなったと言って
身柄を保護していますので
迎えに来てもらえますか?』と。

……あぁ、
久しぶりにやっちゃったか💧

おばあちゃんは一人暮らし。
子供はいない。
いるのは県外に住んでる
甥っ子、姪っ子だけ。

すぐに迎えに行きました。

警察署のソファで
小さく丸まっているおばあちゃん。
トントンと肩を叩くと
「あぁ、あんた来てくれたの…」

それだけ言って目を閉じた。
バツが悪そうに
寝たフリをしている。

引き渡しの手続きを済ませて
警察官に事情を聞くと
早朝、タクシーに乗ったけど
降りる時に300円しか持ってなかったので
通報があったそう。

そりゃそうだ(^^;)
おばあちゃんは
クレカもPayPayも使わない。
お金を持ってなきゃ通報だ。


おばあちゃんの手を引いて
警察官にお礼を言い
車に乗せる。
自分がどこに行こうとしてたのか
なんで警察署に来たのか
そこは…もう覚えてないけど、
迷惑かけたことは
なんとなく感じているみたい。
「どうもすみません…」と
小さく言った。

しょんぼりしているおばあちゃんを
ガーデンにお連れすると
『えっ、なんでこんな早く来た?』
事情を知らない夜勤者が
おどろいて出迎えてくれました。

かくかくしかじか…

『そ〜ゆ〜ことね』と言って
おばあちゃんの小さな
身体をそっと抱きしめた。

『お腹すいたでしょう!』
『今おにぎり作るね。
あ〜味噌汁まだ残ってたかな〜』と
慌ただしく台所に姿を消しました。


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もう、どこにも行っちゃだめだよ。

こんな温かい場所は
他にないんだから。