認知症とコロナ


暮らしていく上で
さまざまなことの認識が
難しくなるのが
認知症という病気。

認知症の高齢者が
コロナウィルスに罹患したら…

まずコロナウィルスという
病気について認識することが
難しい…わけで。

マスクをして過ごすよう
お願いしても
秒で外してしまうし
今はお部屋から出てきては
ならないのだとお伝えしても
何十回と出てくるわけで。

もうこれは、
介護スタッフなら分かりきっている。
その人が悪いとかでは
絶対なく、病気によって
そうなっていることも
分かっている。

だけど疲弊していく。


全国の介護施設
同じような状況が起こっている。

コロナを施設内に持ち込まぬよう
みんな意識して生活をしている。
でも…
ここまで蔓延したウィルスを
完全に封じる手立ては
あるのだろうか。

病院とちがって介護施設では
心身の自由を妨げるような
身体拘束は行いません。
……行ってはなりません。

咳やくしゃみをする
お客さまがマスクを外さぬよう
ミトン(指なし手袋)をするとか、
部屋から出ないよう
カギをかけるとか
絶対にしてはならないのです。

ではどうしたらいい…
入居者を守るには。
スタッフが自分の身体と
自分の家族を守るには。


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感染したお客さまが
部屋から出てくるとセンサーが鳴る。
スタッフは大急ぎで
ガウンを羽織りゴーグルをして
駆けつけ 部屋に戻ってもらう。
そのくり返しが
昼も夜も。

どちらにもストレスがかかる。

そんな中、
心配しているご家族さんが
すぐに届けてくれた
ラジカセやラジオ。
お部屋において退屈がしのげる
本当にありがたいアイテムでした。

スタッフは部屋に入ると
他愛もないおしゃべりをして
療養しているお客さまが寂しくないように
不安にならないように
その人に必要なケアを行っています。

これが続くわけではない。
またいつもの生活に
戻れることをくり返し伝え、
自分にも
そう言い聞かせる。

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療養を終えたスタッフが
戻ってきたら

『おかえり。大変だったね』
『ただいま。迷惑かけたね』

声をかけ合おう。
そうやってバトンをつないでいこう。