失語症でも楽しく過ごそ。

認知症と言っても
その種類にはさまざまなタイプが
ありますね。

私たちは定期的な研修を通して
認知症について学んでいますが
限られた時間のなかで
すべてを学ぶことができるほど
認知症という病気は
単純なものではありません。

日々、お客さまと共に
過ごすなかで
認知症という病気について
学ぶことが多いのも事実です。


脳卒中などの後遺症として
発症する『血管性認知症』、
また アルツハイマー型と血管性認知症
両方の症状がみられる
『混合型認知症』のお客さまに
多くみられるのが
失語症】の症状です。

失語症 = 言葉を失う =
しゃべることが出来ない?

そんなイメージがあるかと思いますが
実はそうではないのです。
大脳にある言語領域が
病気やケガによって傷つき
言葉がうまく使えなくなる状態。
まったくお話が出来ない
ということではないのです。


ここで関わっているお客さまにも
血管性認知症、混合型認知症
お持ちの方がいらっしゃいます。
たしかに…
会話をしていると
ご自身が言いたい言葉とは
まったく違う 言葉が出てしまう
『語性錯語』がみられ
私たちは「?」となることがあります。

例えば、字を読むときに
見えないから…と何かを探してる。
手でメガネのジェスチャーをしてるのに
「時計どこ行った?時計!」
と言ったりするのが
語性錯語の症状です。

ここでの生活では
たとえ錯語があったとしても
会話の前後の流れから
お客さまの言いたいことを
汲み取って 察することが
できますし、それ自体が生活上の
大きな問題になることはありません。

むしろ 突拍子のない言葉がでてきて
周囲が楽しくなってしまうことの
方が多いのです。

先日、混合型認知症のある
お客さまと、お彼岸について
おしゃべりしていた時のこと。

「お彼岸に食べる、
美味しいやつ、何でしたっけ?
アンコで包まれている ほら~アレですよ」
と職員が 正解を引き出そうとすると

「バンバンジーだよ!」.......( ఠ_ఠ )?

面食らった職員が
「え、ちょっと待って…。〇〇さんの家は
お彼岸になると バンバンジー食べる?」
と聞くと
手では おはぎ を丸める仕草。
でも 何度聞いても 「バンバンジーだよ!」と
言うのです。

もう楽しくて。楽しくて。

いや実際、分からないですよ。
その家の風習なのかもしれない。

お彼岸に バンバンジー
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もう、笑いのツボ。
みんな楽しくなっちゃう。
本人もなんだか分からないけど
笑ってる。


これは今度、娘さんに会ったら
聞いてみるしかないなっ(^^♪